ミサイルが落ちてくる2 PAC-3は市民を弾道ミサイルから守れるか?

 前回の記事を書きながら、弾道ミサイルが日本に向けて発射され、イージス艦の迎撃をぬけて領土に落ちてきた場合、PAC-3は迎撃できるのだろうかと気になり、自分なりにネットで調べてみた。

 

PAC-3があるから日本は心配ない」「PAC-3は高性能なのでまず北朝鮮のミサイルなんぞは飛来物残さず破壊できる」というような声がYahoo知恵袋にたくさんあったが、それそのものの性能理論上の話は多くとも実証に基づくプロファイルの情報があまりにも少なかった。キーワードを変えて探しているうちにいくつか興味深い記事を見つけた。

 

 

 そもそもの前提、イージス艦の迎撃からミサイルが抜けてくることはありえるのだろうか。それは上の産経の記事が詳しい。こちらの2016年の記事では、イージス艦に搭載されたSM-3の迎撃成功率が載っている。2015年の40発のミサイル発射実験で40発中、33発の迎撃に成功、よって82.5%の成功率だという。つまり完璧ではない。40発撃ち込まれたら最高で7発は落ちてくるということか。当たり前だが機械を操作するのは、同じ人であり、どんなトラブルがあるかもわからないわけで、100%の信頼というものはない。 

 

 

 

 調べたところによると、(ミサイル防衛 - Wikipedia)迎撃する段階には上昇段階、中間段階、終末段階(ターミナル・フェーズ)の三つに分けられるらしく、PAC-3や韓国で配備されたTHAADは終末段階にあたるらしい。インタフェーズにおける迎撃の計算式が上の記事である。……正直さっぱり理解できない。が、下の記事では上の記事に基づいてノドンをPAC-3が迎撃した場合をまとめている。

 

 

  記事内の結論にあるとおり、「計算上は「交戦可能」ただしこれは「PAC-3は準長距離弾道弾と交戦は可能」であることを示すものであり、PAC-3が広域エリア防空(都市防空)に適した兵器であるという証左にはなりません」とのことである。早い話、安心はできないということか。また、wikipediaPAC-3の迎撃範囲が不確かであるとの指摘がある(半径20kmの射程範囲は短距離弾道ミサイルにおいてではないか?)。この記事を深く再考したのが次の記事だ。

 

 

 この記事では実証されていない、あくまで数値上の話としながらも20km程度の射程内は「撃墜可能」と結論を出している。当たっているのか外れているのか素人には分からないが、少なくとも前記事の半径20kmの防衛範囲をクリアしていると筆者は判断している。どちらが正しいのかは素人目にはまったく分からないが信頼できそうな説明ではある。

 


 上記に記載したwikipediaミサイル防衛の是非に関する議論の章の中で、「元米国防長官のウィリアム・J・ペリーは、米国のミサイル防衛システム(MD)には技術的問題があり「税金の浪費」になるだろうと指摘している(http://japan.hani.co.kr/arti/international/23570.html)」とある。これはどういった意味なのだろうか。調べたところ、韓国の左派日刊新聞、ハンギョレの上の記事がヒットした。記事によると「本物の弾頭と模擬弾頭(Decoys)を識別できない米国ミサイル防衛システムの根本的限界」が存在するとある。もちろんこの記事で想定されてるのは韓国地でのTHAADの運用に対してだが、日本のPAC-3はどうなのだろうか。THAADとPAC-3の違いは迎撃する高度の違いらしいが、この点について踏み込んだ話は今までのブログの中にはなかった。

 

 結局のところ、前回の記事のまとめに突き当たる。起こってみなければ分からない。少なくともどの記事もPAC-3の単体の性能の面での話でそれまでの実施段階でどのようなフォーメーションが組まれるのか。万が一のアクシデントがどのように対処されるのかまでは想像できない。不安だらけである。万が一の戦争の危険に誰が責任を持てるのだろうか。平和の国、日本が戦地にかわりつつある現状に心を痛めずにはいられない。少なくとも今言える事は、このままいけば東京オリンピックは最悪の印象を全世界に与えるだろうということだろう。

 

 渡部夏樹