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散文詩 失恋

2016/11/06

 

僕の思い出のつまった立川のオリオンパピルスは潰れた。

好きな子が働いていた。

マンガコーナーのラジカセから

ラッキー・オールド・サンが流れていた。

あのパピルスのような名刺

創業当時のその名刺を

僕は古本の隙間から見つけた。

裏には立美の広告__立川美術学院__

彼女の通っていた美大

 

僕は今ecuteの前で佇んで

昨日の僕が

彼女にあの小さな名刺をプレゼントしようと

駆けていくのを見た。

僕は知っている。

愛する彼女、あの小さな名刺が

消えてしまうことを

知っている。

あの時の僕がどんなに辛かったかを

知っている。

 

PAPER WALL 

パピルスは薙ぎ倒されて

今では壁が築かれた。

 

             渡部夏樹