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都市貧者の詩

都市貧者の詩

 

僕は阿呆である

汚れ果てた阿呆である

蕎麦屋に立ち寄る失業者の詩

突き刺さる寒空、幸福を見つめる

悲哀だけの都市生活者

どこへゆくのやら、さみしがりやの君

 

女たちの噂話

窓ガラスは宇宙

夢の捨て場

浮浪者がさまよう

忘れさられた、殺人の街

 

六帖の部屋の中

数人の学生と数人の失業者と

数人の若い娘と数人の乗客

 

 

彼女は二十二を過ぎた

恋人、学友、図書館、駅舎

美しい毛髪、唇

美しい身体、肌

あらゆる高い価値に気づく

若く健全な肢体は

空想の如く飛翔する

 

引き裂いた、引き裂いた

僕の体中を、脳天に至るまで!

彼女の軽薄な眼差しは

僕の嘘を嘲笑う

 

 

恋模様

恋模様

恋模様

 

 

僕は痴呆である

病的な痴呆である

 

彼女は空虚の中にいる

僕は遂に白状した

僕のような飢えた乞食は

少なくともあと五、六人

 

僕ははきだめにいる

 

 

涙は消えた

無垢さゆえに、汚された

誇大した妄念は

塵芥のように堆積し

そして僕を生き埋めにした

 

涙は消えた

星は失明した

 

 

僕ははきだめにいる

数人の乞食とともに

愛を嘆願している

 

貧者は星を捕えた

汚れぬよう、コーティングした

が、汚された

 

 

 

恋模様

恋模様

恋模様

 

 

 

僕は阿呆である

汚れ果てた阿呆である

 

 

貧者は星を捕えた

 

 

 

 

岩間寛佳